サンクコストとは?|「もったいない」心理で非合理な判断を招く

思考:人の思考

現在のVUCAの時代では、意識しているのと、していないのでは大きく差がつくサンクコストについて説明します。

この記事でわかること
  • サンクコスト回収不能な過去の費用
  • 「もったいない」心理で非合理な判断を招く。
  • 将来志向で考え、損切りも重要。無視すれば資源を有効活用できる。

サンクコストとは?

サンクコスト(Sunk Cost)は、経済学やビジネスの分野で使われる用語で、「埋没費用」とも訳されます。これは、すでに支出してしまい、もはや回収することができない費用のことを指します。

サンクコストの特徴

  • 回収不能: もっとも重要な特徴は、サンクコストは過去に支払われたものであり、現在の意思決定によって取り戻すことができないという点です。
  • 意思決定に影響を与える: 本来、将来の意思決定には関係のない費用ですが、心理的に「もったいない」と感じてしまい、合理的な判断を妨げる要因となることがあります。
  • 固定費の一部: 事業への投資やプロジェクトなどで発生する固定費の中に、サンクコストが含まれることが多いです。例えば、既に支払ってしまったオフィス賃料や、設備の初期投資などが該当します。
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ビジネスにおけるサンクコストの例

ビジネスの現場では、様々なサンクコストが発生します。具体的な例を見ていきましょう。

  • プロジェクト開発:
    新規プロジェクトに多額の費用を投じたものの、途中で実現が困難になった場合。開発費、人件費、調査費用などはサンクコストとなります。
  • マーケティング投資:
    効果が出ない広告やキャンペーンに費用を投じ続けた場合。広告掲載料、制作費、運用費用などがサンクコストとなります。
  • 設備投資:
    特定の製品を製造するために専用設備を導入したが、製品の需要がなくなり、設備が不要になった場合。設備の購入費用、設置費用はサンクコストとなります。
  • 時間と労力:
    社員が長期間にわたって取り組んだプロジェクトが、最終的に中止になった場合。人件費だけでなく、社員の費やした時間や労力もサンクコストと考えることができます。
  • オフィス賃料:
    事業のためにオフィスを契約したが、事業計画が変更になり、オフィスが不要になった場合。契約期間中の賃料はサンクコストとなる可能性があります。

サンクコストの誤謬

サンクコストは、合理的な意思決定を妨げる「サンクコストの誤謬(ごびゅう)」という心理現象を引き起こすことがあります。これは、

  • せっかくここまで ○○○したのに…
  • 今まで XXX…

という心理が働き、損失が出ると分かっているにも関わらず、プロジェクトや投資を継続してしまう状態を指します。

サンクコストの誤謬の例

  • 赤字プロジェクトの継続:
    当初の見込みが外れ、赤字が確定しているプロジェクトにも関わらず、「これまで ○○○した費用がもったいない」という理由で、ずるずると続けてしまう。
  • 売れない商品の在庫:
    販売商品の在庫を抱えているにも関わらず、「仕入れが高かったから」となかなか値下げに踏み切れず、在庫を抱え続けてしまう。
  • 「今までかけた修理費用がもったいない」と、新しい車への買い替えをためらってしまう。

サンクコストに囚われないための考え方

サンクコストの誤謬に陥らないためには、以下の点を意識することが重要です。

  1. 将来志向で考える: 過去の費用は過去のものとして割り切り、今後の費用と得られる利益に焦点を当てて意思決定を行いましょう。
  2. 損切りラインを設定する: プロジェクトや投資を始める前に、撤退ライン(損切りライン)を明確に設定しておきましょう。事前にルールを決めておくことで、感情的な判断を避けられます。
  3. 客観的な意見を聞く: サンクコストに囚われているかどうかは、自分では判断しにくい場合があります。第三者の客観的な意見を聞き、冷静な判断を心がけましょう。
  4. サンクコストを認識する: まず、目の前の費用がサンクコストであるかどうかを認識することが重要です。認識することで、心理的な影響を意識的に排除することができます。
  5. 定期的な見直し: プロジェクトや投資は、定期的に見直しを行いましょう。状況変化に合わせて、柔軟に計画を変更したり、撤退の判断をすることも重要です。

サンクコストを無視することのメリット

サンクコストを無視して合理的な意思決定を行うことは、以下のようなメリットをもたらします。

  • 損失の拡大を防ぐ: 見込みのないプロジェクトや投資から早期に撤退することで、損失が拡大するのを防ぎ、 新たな分野に振り向けることができます。
  • 意思決定の迅速化: 過去の費用にとらわれず、将来のあり方に焦点を当てることで、意思決定を迅速に行うことができます。
  • 組織全体の効率性向上: 無駄なプロジェクトを早期に撤退し、リソースの再配分を行うことで、組織全体の効率性を向上させることができます。

まとめ

サンクコストは、ビジネスや、投資において避けては通れない概念です。サンクコストの誤謬に陥らず、合理的な意思決定を行うためには、

  • サンクコストの定義と特徴を理解する
  • サンクコストの誤謬という心理現象を知る
  • サンクコストに囚われないための考え方を身につける

ことが重要です。

また現状維持バイアスと組合わさりやすいため、バイアスを理解しうまく付き合うことが寛容です。

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