「国際法」って聞くと、なんだか難しそう、自分には関係なさそう…って思いますよね?
でも実は、国際法は私たちの生活や、世界で起こる出来事を理解するためにとっても大事な「世界の共通ルール」なんです!
この記事では、国際法とは何か、どんな役割があるのかを、誰でもわかるように解説します。
1.国際法って、結局なんなの?
一言でいうと、「国と国との関係を規律するルール(法)」です。
日本には「憲法」や「民法」といった法律がありますよね。これは日本国内の私たちや会社を規律するためのルールです。
これに対して、国際法は、
- 日本とアメリカ
- ロシアとウクライナ
- 世界中の国々
といった、「国」を主役にした関係で守られるべきルールなんです。
具体的な例を挙げると、
- 国際連合憲章(国連の活動の基本ルール)
- 海洋法条約(どこの国の船がどこまで航行できるかなどの海のルール)
- 人権に関する条約(世界共通で守るべき人権のルール)
など、多岐にわたります。
2.国際法はどうやって作られるの?
国際法は、日本の法律のように「国会」があって、そこでパパッと決められるわけではありません。主に次の2つの方法で作られます。
① 条約(Treaty):国同士の「書面による約束」
これは一番わかりやすいルールです。
日本とアメリカが「お互いに防衛し合いましょう」と文書で約束すれば「日米安全保障条約」という国際法になります。たくさんの国が署名して成立するのが、国連海洋法条約のような多国間条約です。
② 国際慣習法:古くからの「世界の当たり前」
昔から世界の多くの国が「これは守るべきだ」と考えて実行してきた習慣が、いつしか法と同じ効力を持つようになったものです。
例えば、「船はどこの国の船でも自由に公海(領海の外の海)を航行できる」という公海自由の原則などがこれにあたります。
3.国際法の「ちょっと不思議なところ」
国際法には、国内法と比べて「ちょっと不思議な特徴」があります。それは、強制力が弱いということです。
日本の法律を破れば、警察に捕まったり、罰金が科せられたりしますよね。
しかし、国際法の場合、世界中のすべての国を強制的に従わせる「世界警察」や「世界裁判所」は存在しません。
国際司法裁判所(ICJ)というものもありますが、原則として紛争当事国の同意がなければ裁判ができませんし、判決が出ても、その履行を強制する仕組みも限定的です。
「じゃあ、意味ないじゃん?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
国際社会では、ルールを破ると「国際的な信用」を失います。グローバル化が進む現代では、どの国も他の国との協力なしでは生きていけません。
国際法は、国同士が友好的なコミュニケーションを保ち、国際社会の秩序を維持するための「対話のためのツール」として非常に重要な役割を果たしているのです。
4.国際法は誰が管理しているの?
国際法には、国内法のような「一つの警察や裁判所」はありませんが、ルールを守らせるための仕組みはあります。
① 主な舞台:国際連合(国連)
国際法が機能する中心的な舞台です。
- 安全保障理事会
国際的な平和と安全を脅かす行為に対し、経済制裁などの強制措置を決定することがあります。
- 国際司法裁判所(ICJ)
国と国との紛争を法的に解決する役割を持っています。
- 総会
全加盟国が集まり、国際的な規範や条約の採択を行う場です。
② 各国政府(外務省など)
国際法の最大の「管理者」は、実は各国自身です。各国は、自国の国益を守るために、他国との交渉の中で国際法の順守を粘り強く求めています。
5.身近な国際法の一例
私たちの生活にも関わる、代表的な国際法を見てみましょう。
国際法(ルール) | 概要 | 私たちの生活への影響 |
国際人権規約 | すべての人が持つべき基本的な自由と権利を保障する | 世界中で人権が守られるための基礎となります |
国連海洋法条約 | 領海(12海里)や排他的経済水域(200海里)といった海の範囲を定める | 漁業資源の管理や海洋調査のルールを明確にします |
世界遺産条約 | 価値のある文化遺産や自然遺産を人類全体で守る | 私たちが世界中の美しい遺産を楽しめるのはこの条約のおかげです |
ジュネーブ条約 | 戦争における負傷者、捕虜、民間人の保護を定める | 「戦争にもルールがある」ことを示し、人道的な取り扱いを定めます |
6.民間人も国際法を利用することはあるの?
国際法は「国と国とのルール」が基本ですが、民間人(私たち個人や企業)が国際法を利用できる場面も増えています。
① 間接的な利用:国内法の「根拠」として
国際法で定められた人権などのルールは、しばしば日本の国内法に取り入れられ、私たちを守るための根拠となります。例えば、日本の裁判所で国際人権規約の精神が考慮されることがあります。
② 直接的な利用:国際人権機関への訴え
ごく限られたケースですが、自国の裁判で救済されなかった場合、国際的な人権機関(国連の自由権規約委員会など)に個人が訴えを起こせる仕組みもあります。
③ 国際刑事裁判所(ICC)の存在
戦争犯罪や人道に対する罪など、非常に重大な犯罪を犯した個人を裁くのが**国際刑事裁判所(ICC)**です。これは、国ではなく「個人」の責任を追及する国際法上の仕組みであり、被害者である民間人が関わる重要な場です。
7.まとめ
国際法は、遠い国同士の話ではなく、地球上に暮らす私たち全員の安全と平和、そして権利を守るための重要な「世界の共通語」です。
ニュースで国際問題を見かけたら、「この背景にはどんな国際法があるんだろう?」と考えてみると、世界がもっと身近に、そして立体的に見えてくるはずですよ!✨
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