MSCIは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略で、世界中の株式市場の動向を示す代表的な株価指数を提供している会社です。投資初心者にとって、MSCIは「世界の株式市場の成績表」のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
投資信託で人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)をベンチマークとしています。

MSCIが投資初心者にとって重要な理由
MSCIが提供する指数は、どの国や地域の株式市場が好調か、不調かを測るためのベンチマークとして広く使われています。たとえば、テレビのニュースなどで「世界経済の先行きが不透明」といった報道を聞くことがあるかと思いますが、MSCIの指数を見ることで、実際に世界の株式市場がどのくらい影響を受けているのかを具体的に把握できます。
また、投資信託やETF(上場投資信託)の中には、MSCIの特定の指数と同じような値動きを目指すように設計されているものが多くあります。このような投資信託やETFに投資することで、簡単に世界中の多様な企業に分散投資することができます。
代表的なMSCI指数
MSCIにはさまざまな指数がありますが、特に投資初心者が知っておくと役立つ代表的なものをいくつか紹介します。
- MSCI ワールド・インデックス
日本を含む先進国23カ国の大型・中型株で構成される指数で、世界の株式市場全体の動きを把握するのに適しています。
- MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
ワールド・インデックスに新興国24カ国の株式も加えた指数です。これにより、より幅広い地域に分散投資できます。
- MSCI ジャパン・インデックス
日本の大型・中型株で構成される指数です。日本の株式市場全体に投資したい場合に参考にできます。
投資初心者向けMSCI活用の具体例
MSCIを有効活用する具体的なシーンをいくつか紹介します。
- 投資信託やETFを選ぶとき
投資信託やETFの目論見書(商品の詳細説明書)には、「ベンチマーク」という項目があります。ここに「MSCI ワールド・インデックス」や「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」と記載されていれば、それは世界の先進国や新興国の株式市場全体に広く分散投資できる商品だと判断できます。
- 企業型確定拠出年金(DC)を選ぶとき
会社が提供する企業年金では、自分で運用商品を選ぶ必要があります。商品の選択肢の中に、「MSCI ワールド・インデックスをベンチマークとするファンド」があれば、それは世界経済の成長に幅広く投資する選択肢となります。もし、どの商品を選べばいいか迷った場合、MSCIの指数をベンチマークとしている商品を選ぶことで、国際分散投資の第一歩を踏み出せます。
- ポートフォリオ全体のバランスを考えるとき
すでにいくつかの投資商品を持っている場合でも、MSCIの指数を参考にできます。例えば、あなたのポートフォリオが日本株に偏っていると感じた場合、「MSCI ACWI」をベンチマークとする商品を追加することで、世界の様々な地域に分散投資し、リスクを軽減できます。
MSCIはどのように作られているか
MSCIの指数作成は、公正で客観的な基準に基づいて行われます。ざっくり言うと、彼らは「どの国の、どの会社の株を、どれくらいの割合で組み入れるか」を、独自のルールに従って決めています。
指数作成の3つのステップ
MSCIが指数を作るプロセスは、大きく以下の3つのステップに分かれます。
- ユニバースの決定(どの国の株を選ぶか)
まず、対象となる市場(国や地域)を定義します。例えば、「MSCIワールド・インデックス」の場合、日本を含む先進国23カ国の株式市場が対象となります。一方、「MSCI ACWI」の場合は、先進国に加えて新興国24カ国も対象になります。このように、MSCIは世界中の国々を「先進国」「新興国」「フロンティア市場」などに分類しています。
- 銘柄の選定(どの会社の株を選ぶか)
次に、定義された国々の市場から、指数に組み入れる銘柄(会社の株)を選びます。主な選定基準は以下の通りです。- 時価総額
ある程度の規模がある会社を対象とします。具体的には、市場の時価総額の一定割合(例えば85%)をカバーするように、大型株や中型株を優先的に選びます。
- 浮動株の時価総額
公的な市場で取引されている株式の量(浮動株)を考慮します。これは、指数が実際の市場の動きを正確に反映するためです。特定の少数の株主が多くの株を保有している場合、その株価が市場全体の動きを代表するとは言えないからです。
- 時価総額
- ウェイト付け(どのくらいの割合で組み入れるか)
最後に、選定された各銘柄の指数における「重み」を決定します。MSCIの多くの指数では、浮動株調整後の時価総額に基づいてウェイト付けが行われます。つまり、市場で取引されている株の量が多く、時価総額が大きい会社ほど、指数に占める割合が大きくなります。例えば、AppleやMicrosoftのような巨大企業は、MSCIワールド・インデックスで非常に大きなウェイトを占めています。
定期的な見直し
MSCIは、これらの指数を四半期ごとに定期的に見直します。これにより、市場の変化(例:企業の成長や衰退、国の経済規模の変化など)をタイムリーに指数に反映させ、常に市場の実態を表すようにしています。
この一連のプロセスにより、MSCIの指数は、投資家にとって信頼性の高い「ベンチマーク(基準)」として広く利用されているのです。
まとめ:MSCIは「分散投資の道しるべ」
MSCIは単なる会社名ではなく、投資の選択肢を広げるための重要なツールです。特に投資初心者が「どの国の株を買えばいいかわからない」「分散投資ってどうすればいいの?」と感じた時、MSCIの指数をベンチマークとする投資信託やETFを選ぶことで、手軽に国際分散投資を実現できます。
MSCIの指数を参考にしながら、ご自身の投資スタイルに合った商品を探してみるのが、賢い第一歩となるでしょう。
その他
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投資実績について
確定利益である配当・分配金も2024年はおかげさまで709万円となり
2024年末の資産増(前年対比):+1,386万円(+48%)となりました。
\毎月の投資収益(2024年)/

\総資産(2024年末)/

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