- 個人消費支出の物価変動を示す指標
- FRBがインフレ指標として最重視
- PCEデフレーター上昇(インフレ加速)→ 金融引き締め(利上げ)→ 株価下落
- PCEデフレーター低下(インフレ鈍化)→ 金融緩和期待(利下げ)→ 株価上昇

PCEデフレーターとは?
PCEデフレーターは、アメリカの個人消費支出(Personal Consumption Expenditures)の価格変動を測定する指標です。簡単に言うと、アメリカの消費者がモノやサービスを購入する際に支払う価格が、平均してどの程度変化しているかを示します。
つまりどういうこと?
よくわからないので例えてみましょう。
月1000円のおこづかいをもらっているとします。
このおこづかいで、あなたはいつも同じお店でお菓子セットを買うことにしました。お菓子セットの中身は、
- ジュース1本
- ポテトチップス1袋
- チョコレート1個
の3つです。
PCEデフレーターがお菓子の値段の変化を教えてくれる
PCEデフレーターは、このお菓子セットの値段が、1年前と比べてどう変わったかを教えてくれるイメージです。
- もしPCEデフレーターが上がったら…
- 今年のお菓子セットの値段が、去年より高くなっていることを意味します。
- 例えば、去年は1000円で買えたお菓子セットが、今年は1100円になっているかもしれません。
- つまり、同じ1000円のおこづかいでは、去年と同じお菓子セットが買えなくなってしまいます。これが「物価が上がった(インフレ)」状態です。
- もしPCEデフレーターが下がったら…
- 今年のお菓子セットの値段が、去年より安くなっていることを意味します。
- 例えば、去年は1000円だったお菓子セットが、今年は900円になっているかもしれません。
- 同じ1000円のおこづかいで、去年よりちょっと良いお菓子セットが買えるかもしれません。これが物価が下がった(デフレ)状態、または物価の上昇がゆっくりになった状態です。
PCEデフレーターはアメリカのお買い物全体の値段の変化
このお菓子セットの例えを、アメリカ全体のお買い物に広げたものがPCEデフレーターです。
アメリカのたくさんの人が買う色々なモノやサービス(食べ物、服、電気代、ガソリン代、病院代など、ぜーんぶ!)の値段が、平均して1年前と比べてどう変わったかをPCEデフレーターが教えてくれます。

何が重要なのか?
PCEデフレーターが重要視される理由は、主に以下の3点です。
- アメリカの消費活動を反映:
アメリカ経済の約7割を占める個人消費の価格動向を直接的に捉えることができます。消費者の支出パターンやインフレ圧力を把握する上で、非常に重要なデータとなります。 - FRB(連邦準備制度理事会)が重視:
アメリカの中央銀行であるFRBは、金融政策を決定する際にPCEデフレーターを最も重要なインフレ指標の一つとしています。FRBは、PCEデフレーターの変動に基づいて、金利の上げ下げなどの政策を検討します。 - 包括的な価格変動を測定:
PCEデフレーターは、消費者物価指数(CPI)よりも広範囲の品目やサービスをカバーしており、より包括的な価格変動を捉えることができると考えられています。例えば、医療費や金融サービスなど、CPIではカバーしきれない項目も含まれています。

PCEデフレーターで何がわかる?
PCEデフレーターを見ることで、主に以下のことが分かります。
- インフレ(インフレーション)の状況:
PCEデフレーターの上昇は、モノやサービスの価格が上がっている、つまりインフレが進んでいることを意味します。逆に、PCEデフレーターの低下は、価格が下がっている、またはインフレ率が鈍化していることを意味します。 - 消費者の購買力:
PCEデフレーターの上昇は、同じ金額で買えるモノやサービスが減るため、消費者の購買力を低下させる可能性があります。 - 経済全体の動向:
インフレの状況は、企業活動や投資、雇用など、経済全体に大きな影響を与えます。PCEデフレーターは、経済全体の動向を把握するための重要な手がかりとなります。

CPI(消費者物価指数)との違いは?
PCEデフレーターとCPIは、どちらもインフレを測る指標ですが、いくつかの違いがあります。
項目 | PCEデフレーター | CPI(消費者物価指数) |
---|---|---|
対象範囲 | 個人消費支出全体(より広範囲) | 消費者が購入するモノやサービスの一部(家計調査ベース) |
算出方法 | GDP統計の個人消費支出を基に算出 | 消費者が購入する代表的な品目の価格を調査して算出 |
加重 | 支出額に応じて変動(消費者の行動変化を反映しやすい) | 一定期間ごとに固定(消費者の行動変化を反映しにくい場合がある) |
FRBの重視度 | より重視 | 重視度はPCEデフレーターより低い |
一般的に、PCEデフレーターはCPIよりも変動が緩やかで、より安定したインフレ指標とされています。また、消費者の支出行動の変化をより反映しやすいという特徴もあります。

最近のPCEデフレーターの状況は?
一般的に、PCEデフレーターは毎月、アメリカ商務省から発表されます。
また2種類あって、それぞれの役割は下記です。
- PCEデフレーター:食品とエネルギーも含む、個人消費支出全体の物価変動
- PCEコアデフレーター:食品とエネルギーを除く、個人消費支出の物価変動
PCEコアデフレーターは、一時的な変動を除いて、より長期的なインフレの傾向を見るのに役立つ
- マネックス証券ーPCEコアデフレータ(前年比)
- マネックス証券ーPCEデフレータ(前年比)

まとめ
PCEデフレーターは、アメリカ経済、特にインフレの状況を把握する上で非常に重要な指標です。FRBの金融政策にも大きな影響を与えるため、常に注目されています。
株価への影響
PCEデフレーターは、直接的に株価を動かすわけではありませんが、インフレや金利を通じて間接的に株価に影響を与えます。
1. インフレへの影響
- PCEデフレーター上昇 → インフレ懸念の高まり:
PCEデフレーターが上昇すると、モノやサービスの価格が上がっていることを意味し、インフレ懸念が高まります。 - インフレ懸念の高まり → 金利上昇の可能性:
FRBは、インフレを抑制するために金利を引き上げる可能性があります。PCEデフレーターはFRBが金融政策を決定する上で重要な指標なので、PCEデフレーターの上昇は、金利上昇の可能性を高めます。
2. 金利と株価の関係
- 金利上昇 → 株価下落の可能性:
一般的に、金利が上昇すると、企業の借入コストが増加したり、投資家がより安全な債券投資に資金を移したりするため、株価は下落する傾向があります。 - 金利低下 → 株価上昇の可能性:
逆に、金利が低下すると、企業の借入コストが減少し、投資家が株式投資に資金を振り向けやすくなるため、株価は上昇する傾向があります。

PCEデフレーターと株価の総合的な影響
上記の点をまとめると、PCEデフレーターと株価は以下のような関係にあると考えられます。
- PCEデフレーター上昇 → インフレ懸念 → 金利上昇の可能性 → 株価下落の可能性
- PCEデフレーター低下 → インフレ鈍化期待 → 金利据え置きまたは低下の可能性 → 株価上昇の可能性

ただし、注意点も
PCEデフレーターと株価の関係は、常に上記の通り単純ではありません。株価は、PCEデフレーター以外にも、企業の業績、経済成長率、地政学的なリスクなど、様々な要因によって影響を受けます。
例えば、以下のようなケースも考えられます。
- 適度なインフレの場合:
緩やかなインフレは、企業収益の増加につながる可能性もあり、株価にとってプラスに働くこともあります。 - 経済成長が伴うインフレの場合:
経済が力強く成長している局面でのインフレは、悪いインフレとは見なされず、株価への悪影響が限定的な場合もあります。 - 将来のインフレ期待:
PCEデフレーターが一時的に上昇しても、将来のインフレが抑制されるとの見方が強ければ、株価への影響は小さくなることもあります。

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