テレビやニュースでよく聞く「GDP(ジーディーピー)」という言葉。なんだか難しそうに聞こえますが、実は国の経済の大きさを表す、いわば「国の成績表」のようなものなんです。
GDPは「国内総生産」の略で、「一定期間(通常は1年間)に、その国の中で新しく生み出された、モノやサービスの『儲け(もうけ)』の合計額」のことを指します。
🍎 例:パン屋さんで考えてみよう!
身近な例として、ある国に「パン屋さん」しかないとしましょう。
- パン屋さんが、小麦粉を仕入れてパンを作ります。
- 小麦粉代(材料費)を引いた、「パンを売って新しく得られた儲け」が付加価値です。
- この国にあるすべての会社やお店が、新しく生み出した儲け(付加価値)を合計したものがGDPになります。
GDPは、その国の経済活動がどれだけ活発に行われたか、そして国全体の豊かさを知るための、とっても大切な数字なんです。
💰 名目GDPと実質GDPの違いは何?
GDPには、「名目GDP」と「実質GDP」の2種類があります。この2つを理解することが、国の経済状況を正しく把握するカギになります🔑。
1. 名目GDP:その時の値段で計算したGDP
名目GDPは、「パンはその時に売られていた値段」をそのまま使って計算したGDPです。
- 特徴:
物価の変動(モノの値段が変わること)がそのまま反映されます。
2. 実質GDP:物価の変動を取り除いて計算したGDP
実質GDPは、「パンの値段が去年のまま(基準となる年の値段)」だと仮定して計算し直したGDPです。
- 特徴:
物価の変動(インフレ・デフレ)の影響を除いているため、本当に生産量が増えたのか、経済が実態としてどれだけ成長したのかを知るために使われます。
🧁 身近な例:ケーキの販売で考える🍰
あなたがケーキ屋さんだとしましょう。
| 年 | ケーキの数 | ケーキの単価 | 売上(GDP) |
| 1年目 | 100個 | 500円 | 50,000円 |
| 2年目 | 100個 | 600円 | 60,000円 |
この場合、
- 名目GDP(2年目の売上)は 60,000円 で、1年目より増えています。
- しかし、売れたケーキの数は100個で変わっていません。
この「60,000円」の増加は、ケーキがたくさん売れて経済が成長したからではなく、「ケーキの値段が上がったから」ですよね。
そこで、2年目の売上を1年目の単価(500円)で計算し直します。
100個 ✕ 500円 = 50,000円
この50,000円が実質GDPの考え方です。
実質GDPで見ると、ケーキの数は増えていないので「実質の成長はゼロ」だとわかります。このように、実質GDPを見れば、物価の動きに惑わされず、本当にモノやサービスの生産量が増えたのかどうかがわかるんです。
📈 GDPが上がるとどうなる?下がるとどうなる?
GDPが上がるとき(経済成長)🎉
- 企業が儲かる!
- モノがたくさん売れるので、会社の利益が増えます。
- モノがたくさん売れるので、会社の利益が増えます。
- お給料が増える!
- 会社の利益が増えると、そこで働く人のお給料も増えやすくなります。
- 会社の利益が増えると、そこで働く人のお給料も増えやすくなります。
- 景気が良くなる!
- 国民全体がお金を使うようになるので、さらにモノが売れ、経済全体が活気づきます。
- 生活の豊かさを感じやすくなります。
GDPが下がるとき(景気後退)😰
- 企業が儲からない…
- モノが売れないので、会社の利益が減ります。
- モノが売れないので、会社の利益が減ります。
- お給料が減るかも…
- 会社の利益が減ると、お給料が上がりにくくなったり、場合によっては下がったりします。
- 会社の利益が減ると、お給料が上がりにくくなったり、場合によっては下がったりします。
- 景気が悪くなる…
- 国民がお金を使わなくなり、モノがさらに売れなくなり、経済全体が沈んでしまいます。
- 失業が増えたり、生活が苦しくなったりする人が増えます。
💰 GDPを投資に活かすには?
私たちはGDPの動きを見ることで、「今、この国の経済は元気なのか?」を判断し、有利な投資行動につなげることができます。
1. 注目すべきは「実質GDP」の伸び率👀
実質GDPが伸びているということは、物価の影響を除いても、その国で生み出される「生産量」が増えているということです。これは、その国の経済が実態として成長している証拠であり、基本的に投資環境としてはプラスに働きます。
- 実質GDPが大きく伸びている国:
- 今後も景気が良くなり、企業の業績も伸びやすいと期待できます。
- その国の株式(株)や、国の信用度を示す国債などが買われやすくなる傾向があります。
2. 名目GDPと実質GDPの差を見る👁️
名目GDPを実質GDPで割ったものを「GDPデフレーター」と呼び、物価の動きを知るために使われます。
- 名目GDP > 実質GDP の場合
- 物価が上がっている(インフレ)可能性があります。
- 企業は利益が出やすい状況にある一方、生活費も上がるため注意が必要です。
- 名目GDP < 実質GDP の場合
- 物価が下がっている(デフレ)可能性があります。
- 企業はモノの値段を下げざるを得ず、利益が出にくい状況にあることが多いです。
🎯 投資行動のヒント
国のGDPの発表を見るときは、次のことを意識してみましょう。
- 実質GDPの伸び率を見て、経済が「本当に成長しているか」をチェック!
- 伸び率が予想より高ければ、株式市場全体に良い影響が出やすい!
- もしGDPが大きく落ち込んでいるなら、景気が悪くなるサインとして、自分の資産を守るための対策(例:リスクの少ない資産への見直し)を考えるきっかけになります。
GDPは、国の経済の健康診断書のようなもの。定期的にチェックして、賢く投資の判断に役立ててみましょう!
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