こんにちは! 経済や投資の話って、なんだか難しそうで敬遠していませんか? でも大丈夫! 今日は、私たちが普段の生活でとっても大切なのに、意外と知られていない「インフレ」と「デフレ」について、優しく解説していきます。
この二つを知るだけで、あなたのお金を「守る」ヒント、「増やす」ヒントが見えてきますよ!
1.インフレとデフレって、簡単に言うと何?
まずは、この二つの言葉を「物価」と「お金の価値」で見ていきましょう。
状態 | 物価(モノの値段) | お金の価値 | わかりやすいイメージ |
インフレ | 上がる | 下がる | 去年100円で買えたものが、今年は110円に! |
デフレ | 下がる | 上がる | 去年100円だったものが、今年は90円に! |
🍦 インフレ(インフレーション):物価が上がり、お金の価値が下がる状態
「インフレ」とは、世の中の全体のモノの値段(物価)が上がり続ける状態のことです。
例えば、昨日まで1個100円だったアイスクリームが、来月には120円、再来年には150円…というように、モノの値段がどんどん上がっていきます。
【ここで大切なこと!】
モノの値段が上がるということは、「100円で買えるモノの量」が減るということですよね?
つまり、インフレが進むと、あなたの持っている「現金」の価値は、実質的にどんどん下がっていってしまうんです!
これが、よく言われる「インフレで現金が目減りする」という現象です。
タンス預金で100万円を持っていても、2倍のインフレが起きたら、100万円で買える量が半分になってしまう、ということです。「お金の数字」は変わらなくても、「お金の力(購買力)」が弱くなってしまうんですね。
🍰 デフレ(デフレーション):物価が下がり、お金の価値が上がる状態
「デフレ」とは、世の中の全体のモノの値段(物価)が下がり続ける状態のことです。
例えば、昨日まで1個100円だったショートケーキが、来月には90円、再来年には80円…というように、モノの値段がどんどん下がっていきます。
デフレの時、あなたの持っている「現金」の価値は、実質的にどんどん上がっていきます。
なぜなら、「100円で買えるモノの量」が増えるからです。
一見良さそうですが、デフレがひどくなると、企業はモノが売れないから利益が減り、お給料も上がりにくくなる(あるいは下がってしまう)という問題が起きやすいんです。
2.インフレ・デフレ時の投資行動シミュレーション
インフレやデフレの状況によって、同じ投資でも結果が変わってきます。
🚀 インフレの時(物価がどんどん上がる時)
この時、「現金」の価値は目減りしていきます。
投資行動 | 結果をもたらしやすい事例 |
モノや資産に投資する | 会社が儲かり、株の値段が上がる。不動産の価値も上がる。お金がモノに変わっているので、現金の目減りを防ぎやすい。 |
現金・預金で持っている | 物価の上昇にお金の増加(利息など)が追いつかず、実質的に損をする。 |
【事例】
インフレでリンゴの値段が2倍になったとします。
- Aさん(リンゴ農園の株を買った)
リンゴ農園は売上が上がり大儲け。株価も上がり、資産は2倍に。現金の目減りをカバーできました。
- Bさん(現金で持っていた)
持っていた現金の「金額」は変わりませんが、今まで2個買えたリンゴが1個しか買えなくなってしまいました。
📉 デフレの時(物価がどんどん下がる時)
この時、「現金」の価値は実質的に上がっていきます。
投資行動 | 結果をもたらしやすい事例 |
現金・預金で持っている | 現金の価値が自然と上がるので、お金の購買力が増える。投資を急ぐ必要がないと考える人も多い。 |
モノや資産に投資する | 企業が儲からず株価が下がる。不動産の価値も下がり、投資した資産の価値が目減りしやすい。 |
【事例】
デフレでリンゴの値段が半分になったとします。
- Cさん(リンゴ農園の株を買った)
リンゴ農園は売上が下がり業績が悪化。株価も下がり、資産が目減りしてしまいました。
- Dさん(現金で持っていた)
持っていた現金の「金額」は変わりませんが、今まで1個しか買えなかったリンゴが2個買えるようになり、資産が増えたのと同じ効果が得られました。
3.インフレ・デフレ時に有利な資産は何?
これを理解しておくと、経済の状況が変わったときに、どうお金を動かすか考えるヒントになります。
🔥 インフレ時に有利な資産(現金の価値が下がる時に強いもの)
インフレは「モノの価値が上がる」状況なので、「モノ」や「モノを生み出すもの」を持っていると有利になります。
- 株式(かぶしき)
企業が持っているモノの価値が上がり、売上や利益が増え、株価が上がりやすいです。
- 不動産
土地や建物の値段(資産価値)が上がりやすいです。
- 金(ゴールド)などの現物資産
金は「モノ」なので、現金の価値が下がると相対的に価値が上がりやすいとされています。
❄️ デフレ時に有利な資産(現金の価値が上がる時に強いもの)
デフレ時は「現金最強」とも言われます。投資で損をするリスクが高まるため、リスクの少ない資産が好まれます。
- 現金・普通預金
何もしなくてもお金の価値(購買力)が上がっていくため、とても有利です。
- (比較的)安全な債券(さいけん)
国や企業にお金を貸して利息をもらう仕組み。株のように大きく変動しにくいため、デフレで投資環境が悪い時に選ばれやすいです。
4.【ニュースで要チェック!】インフレ・デフレの「サイン」を見逃すな
私たちの生活に大きな影響を与えるインフレやデフレ。経済の専門家でなくても、ニュースや新聞で出てくる「ある言葉」や「政策」に注目するだけで、どちらの波が来そうか、事前に気づくことができます。
ここでは、特に注目してほしいキーワードや政策を、インフレ時とデフレ時に分けて紹介します。
🔥 インフレ(物価上昇)のサイン
注目すべきワーディング・指標 | ニュースの言葉・内容 | 政策(日本銀行の行動) |
消費者物価指数(CPI) | 「CPIが前年比プラス〇%で推移」 「コアCPIが日銀の目標である2%を上回った」 | 金融引き締め(きんゆうひきしめ) 政策金利の引き上げ(りあげ) (市場のお金を減らして、景気の加熱を抑えようとする行動) |
金利の話題 | 「住宅ローン金利の上昇の可能性」 「マイナス金利解除(かいじょ)の議論」 | 量的引き締め(りょうてきひきしめ) (国債などを市場に売却し、市場に出回るお金を減らす行動) |
企業の声 | 「原材料費の高騰を価格に転嫁」 「賃上げ(ちんあげ)が大手企業から中小企業に波及」 |
【これがサイン!】
物価を表す「CPI」が上がり続けている、あるいは「日銀が金利を上げそうだ」というニュースが出たら、それはインフレ圧力が強いサインです。金利が上がると、私たちの住宅ローンなどの借金(負債)の返済負担が増える可能性があるため、家計管理を見直すチャンスでもあります。
❄️ デフレ(物価下落)のサイン
注目すべきワーディング・指標 | ニュースの言葉・内容 | 政策(日本銀行の行動) |
消費者物価指数(CPI) | 「CPIが前年比マイナスで推移」 「デフレ・ギャップ(需給ギャップ)が拡大」 | 金融緩和(きんゆうかんわ)の維持・強化 政策金利の引き下げ(りさげ) (市場のお金を増やして、景気を刺激しようとする行動) |
企業の状況 | 「リストラ(人員削減)の加速」 「企業が価格競争で苦戦」 「設備投資の抑制(よくせい)」 | 量的緩和(りょうてきかんわ) (大量に国債などを買い入れて、市場にお金を供給する行動) |
世論の動向 | 「消費の冷え込み」 「将来への不安から消費マインドが低下」 |
【これがサイン!】
「CPIが下がっている」「景気が悪く、企業が投資や雇用を控えている」といったニュースが出たら、デフレの進行を警戒する必要があります。デフレ時は現金が有利になりますが、お給料が上がりにくくなる(最悪の場合下がる)傾向があるため、将来の収入計画を見直すことが大切です。
まとめ:大切なのは「知ること」と「備えること」
インフレとデフレ、少しはイメージが湧きましたか?
今は世界的に見ても「インフレ」の傾向が強い状況です。だからこそ、「現金で持っているだけだと、知らないうちに損をしているかもしれない!」という意識を持つことが、お金を守る第一歩になります。
お金の守り方・増やし方に「絶対の正解」はありませんが、経済の仕組みを知っておくことで、慌てずに対策を考えることができます。
まずは少額からでも、ご自身の生活に合わせた資産形成を始めてみましょう。このブログが、あなたの一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです!
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