マネーストックってなに?

経済:基礎知識

金融の世界へようこそ!投資初心者の方にもマネーストック(マネーサプライとも呼ばれます)の基本とその経済・市場への影響をわかりやすく解説します。


🧐 マネーストックってなんだろう?

マネーストックとは、世の中全体(企業や個人など)にどれだけのお金が出回っているかを示す指標のことです。簡単に言えば、「お財布や銀行口座に入っているお金の合計」だとイメージしてください。

日本の場合、日本銀行(中央銀行)が発表しています。このお金の量が変わると、私たちの経済活動や投資に大きな影響が出るため、とても注目されています。

📊 主なマネーストックの指標(代表的なもの)

マネーストックにはいくつかの種類がありますが、よくニュースで聞くのは以下のようなものです。

  • M1: 現金通貨 + 預金通貨(普通預金など、いつでも引き出せるお金)
  • M2: M1 + 準通貨(定期預金など、すぐに現金化できないが比較的流動性の高いお金)
  • M3: M2に加えて、ゆうちょ銀行や各種協同組合(信金、信組、労金、農協など)の預金などを加えた、より広範囲のお金です。

簡単に言うと、M1、M2、M3は、お金の範囲をどんどん広げていったものだと考えてください。

  • M1: 現金 + すぐ引き出せる預金
  • M2: M1 + すぐには引き出せない預金(定期預金など)
  • M3: M2 + もっと広い範囲の金融機関の預金

なぜこんなに種類があるの?

どこまでを「お金」と見なすかによって、分析の仕方が変わるためです。一般的に、ニュースなどで最も注目されるのはM2ですが、より広い視点で日本全体のお金の動きを見たいときにはM3も参考にされます。

このブログでは、世の中に出回っているお金全体の「量」としてマネーストックを解説していきます。


📈 マネーストックが増える・減るイベントは?

マネーストック、つまり世の中のお金の量が増えたり減ったりする主な要因は、主に銀行の活動中央銀行の金融政策です。

💰 マネーストックが増えるイベント(お財布にお金が増えるイメージ)

  1. 銀行が企業や個人に融資(貸し出し)を増やすとき
    • 銀行があなたに100万円を貸すと、あなたの口座に100万円が増えます。これは新しいお金が生まれたのと同じ効果があり、マネーストックが増加します。銀行の信用創造という働きによるものです。
  2. 中央銀行(日銀)が金融緩和(量的緩和など)を行うとき
    • 日銀が銀行から国債などを買い取ることで、銀行に渡すお金の量(ベースマネー)が増え、結果として銀行が融資しやすくなり、マネーストックが増えやすくなります。

📉 マネーストックが減るイベント(お財布のお金が減るイメージ)

  1. 企業や個人が銀行から借りたお金を返すとき
    • 融資のときとは逆に、お金を返済すると、その分マネーストックからお金が消えて減ることになります。
  2. 中央銀行(日銀)が金融引き締め(量的引き締めなど)を行うとき
    • 日銀が市場からお金を吸い上げたり、銀行への融資を抑制したりする政策を行うと、マネーストックは減りやすくなります。

🌍 マネーストックの増減が経済に与える影響

世の中のお金の量が変化すると、私たちの暮らしや経済全体に大きな影響があります。

⬆️ マネーストックが増えるとどうなる?

  • 景気の過熱・インフレ(物価上昇)
    お金が増えると、人々はモノやサービスをより多く買おうとします。モノの量が変わらないのに、お金だけが増えると、モノの価値に対してお金の価値が相対的に下がり(デフレと逆)、物価が上昇しやすくなります(インフレ)。
     
  • 経済活動の活発化
    借り入れがしやすくなるため、企業は設備投資を、個人は住宅購入などをしやすくなり、経済活動が活発化し、景気が良くなる傾向があります。

⬇️ マネーストックが減るとどうなる?

  • 景気の悪化・デフレ(物価下落)
    お金が減ると、人々はモノを買うのを控えたり、投資を減らしたりします。お金の流れが悪くなり、経済活動が停滞し、物価が下落しやすくなります(デフレ)。
     
  • 金利の上昇(借り入れコストの増加)
    お金が希少になるため、お金を借りる際の金利が上がりやすくなる傾向があります。

💹 株式市場への影響は?

投資家にとって、マネーストックの増減は特に重要です。

マネーストックの増加 ➡️ 株価上昇の期待(一般論)

  • 企業の業績改善
    経済活動が活発になり、インフレ傾向になると、企業の売上や利益が増加する期待が高まります。
     
  • 余剰資金の流入
    世の中のお金が増えると、その一部が銀行預金だけでなく、より高いリターンを求めて株式市場に流れ込む傾向があります。
     
  • 低金利の継続
    多くの場合、マネーストックが増える要因となる金融緩和策は、低金利を維持するため、株の投資を促します。

結果として、マネーストックの増加は、一般的に株式市場にはポジティブな影響を与えることが多いです。

マネーストックの減少 ➡️ 株価下落の懸念(一般論)

  • 企業の業績悪化懸念
    経済活動の停滞やデフレ傾向により、企業の業績悪化が懸念されます。
     
  • 資金の流出
    株式市場から資金が引き揚げられ、マネーストックの縮小とともに株価が下落する圧力となることがあります。
     
  • 金利の上昇
    金融引き締めによる金利上昇は、企業の借り入れコストを増やし、株の魅力を相対的に低下させることがあります。

📢 マネーストックの増減に関するアナウンスはどこから?

マネーストックの具体的な数値の発表や、増減を引き起こす可能性のある金融政策のアナウンス元は以下の通りです。

1. マネーストックの数値そのものの発表

  • 日本銀行(日銀):
    • 日銀は、「マネーストック統計」として、M1やM2といった各指標の残高を毎月発表しています。
    • 「〇月のマネーストック(M2)は前年同月比〇%増加」といったニュースが、この統計に基づいています。

2. 増減の「原因」となる政策の発表

  • 日本銀行(金融政策決定会合):
    • マネーストックの増減に最も大きな影響を与える金融政策(金利の上げ下げや量的緩和・引き締めなど)は、日銀の「金融政策決定会合」で決定され、その結果が公表されます。
    • この決定会合の結果は、決定後すぐに記者会見や日銀のウェブサイトでアナウンスされます。
       
  • 政府や財務省:
    • 財政政策(大規模な公共事業など)も、間接的にマネーストックに影響を与えるため、政府の発表にも注目が必要です。

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