今回は、普段あまり聞き慣れないかもしれないけど、実はわたしたちのお金の流れや景気に深く関わっている仕組み、「銀行準備制度」について、金融初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
この制度、実は以前の記事で紹介した「信用創造」を理解する上でもとっても大切なんです! 💡
銀行準備制度って、ざっくりいうと?
銀行準備制度とは、「銀行が、預金の一部を、中央銀行(日本なら日本銀行)などに預けておくことを義務付ける制度」のことです。
「準備」という言葉が示す通り、銀行が「まさかの時」に備えてお金を用意しておくためのルール、とイメージしてください。
どこに、どれくらい準備するの?
銀行が準備するお金のことを「準備預金(または支払準備金)」と呼びます。
この準備預金は、主に以下の場所に置かれます。
- 日本銀行(中央銀行)への預け入れ
これが最も重要で、制度の核となる部分です。
- 銀行内の現金
窓口での引き出しなどに備えて、銀行自身が手元に持っている現金も含まれます。
そして、どれくらいの割合を準備しなければならないかは、「準備率(預金準備率)」というルールで決まっています。
例えば、準備率が1%で、あなたが銀行に100万円預けたら、銀行はそのうち1万円(100万円の1%)を準備預金として用意しなければならない、ということです。
なぜこんな制度が必要なの? 2つの重要な役割
銀行準備制度には、主に2つの重要な役割があります。
1. 預金者の保護と銀行の安心感
もし、預金者が一斉に「お金を引き出したい!」と銀行に殺到したらどうなるでしょう?
銀行はすべてのお金を貸し出しているため、手元に十分な現金がないと「ごめんなさい、払えません…」となってしまい、銀行への信用が失われ、社会が大混乱に陥ってしまいます。
準備預金は、こうした「取り付け騒ぎ」を防ぐための「保険」のような役割を果たし、預金者がいつでもお金を引き出せる安心感を支えています。
2. 信用創造の「ブレーキ」としての役割 🚨
これが、この制度の最も重要な経済的な役割です!
以前の信用創造の記事で、銀行が私たちから預かったお金の一部を貸し出すことで、預金という形のお金(銀行マネー)が増えていく仕組みを解説しました。これが信用創造です。
しかし、この信用創造が無限に、際限なく行われたらどうなるでしょうか?
- 世の中にお金が増えすぎて、インフレ(物価がどんどん上がること)が起こりすぎる。
- 銀行が無謀な貸し出しを行い、金融システムが不安定になる。
このような事態を防ぐために、銀行準備制度が「ブレーキ」の役割を果たすのです。
準備率がブレーキになる仕組み
銀行は、預金を受け入れるたびに、必ず一定割合の準備預金を積まなければなりません。この「準備預金」として隔離されたお金は、もう二度と貸し出しに回すことができません。
つまり…
- 準備率が100%
預金されたお金はすべて準備預金になり、新規の貸し出しはゼロ。信用創造は起こりません。
- 準備率が低い(例: 1%)
預金の大半を貸し出しに回せるため、信用創造の勢いが強くなります。
- 準備率が高い(例: 10%)
貸し出しに回せるお金が減るため、信用創造の勢いが弱くなります。
中央銀行(日本銀行)は、この「準備率」を操作することで、世の中に出回るお金の量を間接的にコントロールし、景気が過熱したり冷え込みすぎたりしないように調整しているのです。
まとめ
銀行準備制度は、銀行が預金の一部を準備する地味だけど超重要なルールです。
| 役割 | 説明 | 例え |
| 安心感の確保 | 預金者がいつでもお金を引き出せるように備える | 銀行の金庫番 |
| 景気のコントロール | 信用創造に制限をかけ、世の中のお金の量を調整する | 信用創造の「ブレーキ」 |
この「ブレーキ」の存在を理解すると、お金がどうやって生まれ、どうやって増えすぎないように調整されているかという経済の仕組みが、より深く見えてきますよ!
ぜひ、以前の記事と合わせて、金融の基本をマスターしていきましょう!😊
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