ペロブスカイト太陽電池ってそもそも何?
ペロブスカイト太陽電池は、次世代の太陽電池として期待されている技術です。現在の主流であるシリコン系太陽電池とは異なり、「ペロブスカイト」という特殊な結晶構造を持つ化合物を原料としています。
この太陽電池の大きな特徴は、「薄い」「軽い」「曲げられる」こと。フィルム状に作ることができ、ビルの壁や窓、さらに衣類や車の屋根など、これまで太陽電池を設置できなかった場所にも使えるようになります。

従来の太陽光発電システムとの違い
従来の太陽電池は「シリコン」を原料としており、厚くて重く、硬いため、設置場所が屋根や広大な土地に限定されていました。また、製造には1,000℃を超える高温が必要でした。
一方、ペロブスカイト太陽電池は、以下のような違いがあります。
- 薄くて軽い:
フィルム状に製造できるため、従来のパネルの20分の1から25分の1の軽さを実現できます。
- 柔軟性:
曲げられるため、建物の壁面や曲面、さらには車の屋根やウェアラブルデバイスにも設置できます。
- 製造コスト:
低温でインクを塗る、印刷するなど比較的簡単なプロセスで製造できるため、製造時のエネルギー消費が少なく、コストを抑えられます。
- 低照度でも発電:
曇りの日や、室内照明の弱い光でも発電できる可能性があります。
- 原料:
日本国内で多く産出されるヨウ素などを利用できるため、サプライチェーンの安定性にも優れています。
注目されているメリット
ペロブスカイト太陽電池の最大のメリットは、その「汎用性の高さ」です。従来のシリコン太陽電池では設置が難しかった場所にも太陽光発電を導入できるため、太陽光発電の普及を加速させる「ゲームチェンジャー」となる可能性があります。
- 建材一体型太陽電池(BIPV):
窓ガラスや壁に発電機能を持たせ、建物そのものが発電所になる「BIPV」が実現できます。
- ドローンやEV:
軽量性を活かしてドローンに搭載すれば、飛行時間を大幅に延ばせます。EVのルーフに搭載すれば、走行距離の延長に貢献します。
今後の課題
実用化に向けて、いくつかの課題も残されています。
- 耐久性:
水分、酸素、紫外線に弱く、従来のシリコン太陽電池が20年以上使用できるのに対し、ペロブスカイト太陽電池は現時点では寿命が短いとされています。耐久性の向上が急務です。
- 鉛の使用:
主な材料に微量の鉛が含まれているため、環境や人体への影響が懸念されています。鉛を使用しない代替材料の研究開発も進められています。
- 大面積化:
研究レベルでは高い変換効率を達成していますが、大面積のモジュールになると性能にばらつきが出やすいという課題があります。量産化に向けた技術の確立が求められます。
なぜ今、ペロブスカイト太陽電池が熱いテーマなの?
世界中でカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること)に向けた取り組みが加速する中、再生可能エネルギーへの注目が高まっています。しかし、従来のシリコン系太陽電池は重く、設置場所が限られるという課題がありました。
ペロブスカイト太陽電池は、この課題を解決する可能性を秘めているため、急速に研究開発が進んでいます。
また、日本のエネルギー事情や社会課題を踏まえると、ペロブスカイト太陽電池が注目される理由は多岐にわたります。
日本の国土とエネルギー課題
- 平地の少なさ:
日本は国土の約7割が山地で、太陽光発電パネルを設置できる広大な土地が限られています。このため、従来の太陽光発電システムを大規模に導入するのは困難でした。ペロブスカイト太陽電池は、建物の壁や窓、車の屋根など、これまで活用できなかった場所に設置できるため、この課題を解決する手段として期待されています。
- エネルギー自給率の低さ:
日本のエネルギー自給率は、先進国の中でも特に低い水準にあります。ロシアによるウクライナ侵攻以降、原油や液化天然ガス(LNG)などの価格が高騰し、エネルギー輸入に依存する日本の経済に大きな影響を与えています。ペロブスカイト太陽電池が普及すれば、国内で発電できる場所が増え、エネルギー自給率の向上に貢献できます。
経済と社会への影響
- 円安:
近年の急速な円安は、原油やLNGといった輸入エネルギーのコストをさらに押し上げています。国内でクリーンエネルギーを生産できる技術は、このような為替リスクを低減する上で重要な意味を持ちます。
- サプライチェーンの安定化:
シリコン太陽電池の製造は、特定の国に集中しており、サプライチェーンが不安定になるリスクがあります。ペロブスカイト太陽電池の原料は、日本国内で豊富に産出されるヨウ素などが利用できるため、サプライチェーンの安定化に寄与します。
- 新たな産業の創出:
ペロブスカイト太陽電池は、従来のエネルギー産業だけでなく、建材、自動車、電子機器など、様々な分野で新たなビジネスチャンスを生み出します。
技術的な優位性
- 低照度での発電能力:
日本は曇りの日が多い国でもあります。ペロブスカイト太陽電池は、曇りの日や室内でも発電できるため、日本の気候に適していると言えます。
- 製造プロセスの簡素化:
ペロブスカイト太陽電池は、従来の高温プロセスを必要とせず、印刷技術などで製造できるため、製造コストを抑えられます。これにより、低コストで太陽光発電を普及させることが可能になります。
解決できる社会課題
この技術が普及すれば、以下のような社会課題の解決に貢献できます。
- 再生可能エネルギーの普及加速:
設置場所の制約が少なくなることで、太陽光発電の導入が飛躍的に増加する可能性があります。
- エネルギー自給率の向上:
ビルや住宅など、身近な場所で発電できるようになり、地域のエネルギー自給率が向上します。
- 新産業の創出:
新しい発電方法が生まれることで、建築、自動車、アパレルなど、多岐にわたる分野で新たなビジネスチャンスが生まれます。
テーマの恩恵
ペロブスカイト太陽電池は、まだ実用化・量産化の初期段階にあります。そのため、技術開発を手がける企業や、製造に必要な素材を提供する企業、そして製造装置を開発する企業が、将来的な成長の恩恵を大きく受ける可能性があります。
現在の市場規模と今後の見込み
ペロブスカイト太陽電池の市場はまだ立ち上がったばかりで、商業規模としては非常に小さい段階にあります。2023年時点では、数十億円から数百億円程度と見られており、従来型の太陽電池市場と比べればごく限られた規模です。
しかし、研究開発や実用化に向けた投資は活発で、調査会社によると今後は急速な拡大が予測されています。例えば、2030年代には数千億円から数兆円規模に達するとの見方もあり、次世代エネルギー市場の有望分野として注目されています。
成長率についても、CAGR(年平均成長率)は40〜70%と非常に高い水準が予測されており、短期間での市場拡大が期待されています。ただし「数百%」といった極端な予測は確認されておらず、調査会社ごとに幅がある点には留意が必要です。
関連株を考える際のポイント
最新の一覧は株探にあります。
関連株を検討する際は、以下のポイントに注目してみましょう。
- 技術開発力:
実際に研究開発を行っている企業や、特許を保有している企業は将来性が高いと言えます。
- サプライチェーン:
太陽電池の製造には、ペロブスカイト材料、電極、封止材料など、様々な素材が必要です。それらを供給する企業も注目です。
- 製造装置:
量産化には専用の製造装置が不可欠です。装置メーカーも重要なプレイヤーです。
まとめ
ペロブスカイト太陽電池は、まだ開発段階の技術ですが、再生可能エネルギーの未来を大きく変える可能性を秘めています。投資においては、高い成長性が期待される一方で、実用化までの道のりや競争も激しいことを理解しておくことが大切です。
このブログを参考に、ぜひご自身でもさらに深く調べてみてくださいね!
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