米国株式市場を見ていると、
「なぜこんなに不安定なの？」
「急に市場全体が弱気になった気がする…」
と感じることはありませんか？
そんな市場の空気感を数値で確認できるのが、
個人投資家センチメント調査（AAII Sentiment Surveyなど）です。
この記事では、投資初心者の方向けに
- 個人投資家センチメント調査とは何か
- なぜ投資判断の参考になるのか
- どのように活用すればよいのか
- 注意すべきポイント
をわかりやすく解説します。
個人投資家センチメント調査とは？
個人投資家センチメント調査とは、
個人投資家が「今後の株式市場をどう見ているか」をアンケートで集計した指標です。
代表的なのが、
全米個人投資家協会（AAII：American Association of Individual Investors）
が毎週公表している AAII Sentiment Survey です。
AAII Sentiment Surveyの内容
AAIIの調査では、個人投資家に次の質問を行っています。
今後6か月の株式市場はどうなると思いますか？
回答は以下の3つに分類されます。
- 強気（Bullish）：株式市場は上昇すると考えている
- 弱気（Bearish）：株式市場は下落すると考えている
- 中立（Neutral）：どちらとも判断できない
それぞれの回答割合（％）が毎週公表されます。
なぜ個人投資家センチメントを気にする必要があるのか？
理由① 市場は投資家の感情に左右されやすい
株価は企業業績だけで動いているわけではありません。
- 不安が強まると売りが増える
- 楽観が広がると買いが集中する
といったように、投資家心理（センチメント）が相場を動かす場面は多く存在します。
センチメント調査を見ることで、
今の市場が「恐怖」なのか「楽観」なのかを客観的に把握できます。
理由② 極端な数値は逆張りのヒントになる
AAIIセンチメント調査は、
逆張り戦略の参考指標として使われることが多いです。
- 弱気が極端に多い
- 多くの投資家がすでに売っている可能性
- 売りが一巡し、反発しやすい局面かもしれない
- 強気が極端に多い
- 楽観が行き過ぎている可能性
- 株価が過熱し、調整が入りやすいかもしれない
「みんなが同じ方向を向いている時ほど注意が必要」
という視点を与えてくれる指標です。
AAIIセンチメントの基本的な見方
初心者の方は、まず以下のポイントだけ意識すれば十分です。
- 強気（Bullish）の割合が高すぎないか
- 弱気（Bearish）の割合が高すぎないか
一般的には、
- 弱気が 40〜50％以上
- 強気が 50％前後以上
など、過去と比べて極端な水準かどうかを確認します。
※ 明確な売買基準が決まっている指標ではありません。
中立（Neutral）が多い場合の考え方
中立の割合が多い場合は、
- 市場に方向感が出にくい
- 投資家が様子見姿勢にある
と考えられることが多いです。
このような局面では、
無理に売買せず、トレンドや他の指標と併せて判断することが大切です。
初心者向け｜センチメント調査の上手な使い方
① 単独で売買判断をしない
AAIIセンチメントは、
市場の雰囲気を把握するための補助指標です。
この指標だけで売買を決めるのは避けましょう。
② 他の指標と組み合わせる
以下のような指標と組み合わせると、判断の精度が高まります。
- 株価指数（S&P500、NASDAQなど）
- VIX指数（恐怖指数）
- 出来高やトレンド指標
③ 中長期目線で活用する
AAIIセンチメントは、
短期売買よりも数週間〜数か月の視点で活用されることが多い指標です。
相場全体の過熱感や悲観度合いを確認する目的で使いましょう。
注意点｜必ず理解しておきたいこと
- 個人投資家の意見が常に正しいとは限らない
- 極端な数値が長期間続くこともある
- 例外的な相場展開は常に起こり得る
センチメント調査は、
「当たる魔法の指標」ではないことを理解した上で活用しましょう。
AAII Sentiment Surveyの公式サイト
AAIIが公表している公式ページはこちらです。
- 米国株式市場を対象とした個人投資家向け調査です
- 強気・弱気・中立の割合が定期的に更新されています
まとめ
個人投資家センチメント調査は、
- 市場の心理状態を数値で把握できる
- 極端な楽観・悲観をチェックできる
- 逆張り戦略のヒントになる
といった特徴を持つ指標です。
初心者の方はまず、
「今の市場は楽観的すぎないか？」
「悲観が行き過ぎていないか？」
という相場全体を俯瞰する視点を持つために活用してみてください。
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