🇯🇵鉄鋼業とは？｜33業種を解説

鉄鋼業とは？

鉄鋼業は、鉄鉱石を主原料として、高炉などで鉄を作り、それを加工して様々な鉄鋼製品を製造する産業です。

鉄鋼業の事業は大きく分けて以下のようになります。

鉄鋼業は、様々な課題を抱えています。

環境規制
鉄鋼生産は大量のCO2を排出するため、地球温暖化対策としての環境規制強化が大きな課題です。脱炭素化に向けた技術開発や設備投資が求められています。
　
原材料価格の変動
鉄鉱石や石炭などの原材料価格は国際市況の影響を受けやすく、変動が激しいです。これが収益に大きな影響を与えることがあります。
　
国際競争の激化
中国や韓国などの新興国の台頭により、国際競争が激化しています。高付加価値製品の開発やコスト競争力の強化が重要です。
　
国内需要の縮小
少子高齢化や産業構造の変化により、国内の鉄鋼需要は長期的に縮小傾向にあります。

鉄鋼業の正確な市場規模を特定するのは難しいですが、
日本の鉄鋼市場規模は、2024年に843億米ドル（約12.6兆円）に達しました。
※IMARCグループが発表した市場調査レポートに基づく数値

鉄鋼業の株価は、様々な要因で変動します。

株価上昇のイベント:
- 世界経済の回復・成長
  自動車、建設、機械など、鉄鋼を多く使用する産業の景気が上向くと、鉄鋼需要が増加し、株価が上昇しやすいです。
  　
- 原材料価格の下落
  鉄鉱石や石炭などの価格が安定または下落すると、企業の収益性が改善し、株価に好影響を与えます。
  　
- 設備投資の増加
  大規模なインフラ投資や企業の設備投資が増加すると、鋼材需要が拡大し、株価が上昇する可能性があります。
  　
- 円安
  輸出比率の高い鉄鋼メーカーにとって、円安は収益を押し上げる要因となります。
株価下落のイベント:
- 世界経済の減速
  世界経済が減速すると、鉄鋼需要が落ち込み、株価が下落しやすいです。
  　
- 原材料価格の高騰
  鉄鉱石や石炭などの価格が高騰すると、企業のコストが増加し、収益を圧迫するため、株価に悪影響を与えます。
  　
- 中国の生産過剰
  中国は世界最大の鉄鋼生産国であり、中国の生産過剰が国際的な価格競争を引き起こし、日本の鉄鋼メーカーの収益を圧迫することがあります。
  　
- 円高
  輸出比率の高い鉄鋼メーカーにとって、円高は収益を押し下げる要因となります。

鉄鋼業の株価は景気への影響を非常に受けやすい業種です。

鉄鋼は、自動車、建設、機械、造船など、様々な産業の基盤となる素材であるため、景気が良くなれば需要が増え、景気が悪くなれば需要が減るというように、景気動向にダイレクトに連動します。いわゆる「シクリカル銘柄（景気敏感株）」の代表例と言えるでしょう。

鉄鋼業の株価は、以下の業種と連動しやすい傾向にあります。

鉄鋼業は、国の政策から大きな影響を受けます。

鉄鋼業は、輸出入の影響を大きく受けます。

輸出
日本の鉄鋼メーカーは、自動車や機械など、付加価値の高い製品を海外に輸出しています。世界経済の動向や為替レート（円安・円高）が輸出量や収益に大きく影響します。
　
輸入
鉄鉱石や石炭といった原材料は、ほぼ全量を輸入に頼っています。これらの国際市況の変動や為替レートは、生産コストに直接影響します。また、安価な海外製品の輸入が増えると、国内メーカーの競争環境が厳しくなることもあります。

鉄鋼業は、景気や国際情勢、環境問題など、様々な要因が複雑に絡み合う奥深い業種です。株式投資を考える際には、これらの点を総合的に判断することが重要になりますね。