上昇/下落出来高比率とは?市場の“エネルギー”を読む重要指標をやさしく解説【米国株】

株:株価指標

米国株の市場全体が「本当に強いのか?」「なんとなく上がっているだけでは?」を判断するために役立つのが、
上昇/下落出来高比率(Advance/Decline Volume Ratio) です。

この記事では、投資初心者でも理解できるように、

  • 指標の意味
  • なぜ重要なのか
  • 具体的な見方
  • 注意点
    などを丁寧に解説します。
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🔍 上昇/下落出来高比率とは?

その日の“上昇した銘柄の出来高”と“下落した銘柄の出来高”を比較した比率のことです。

  • 上昇銘柄の出来高合計
  • 下落銘柄の出来高合計

この 2つを比率にしたもの が「Advance/Decline Volume Ratio」です。

👉 例:上昇出来高 2億株、下落出来高 1億株の場合
比率 = 2.0(= 2億 ÷ 1億)


🤔 なぜこの指標が重要なの?

初心者の方ほど誤解しやすいのですが、
株価が上昇=強い相場 とは限りません。

市場が本当に力強いのか(エネルギーがあるのか)を判断するには、
どれだけの出来高が、上昇側に流れているか が重要です。

つまり…

  • 株価だけ上がっている → 表面的な上昇の可能性
  • 出来高も伴って上がっている → 実需を伴う、本物の上昇トレンド

株価だけを追っていると

「今日市場は上がっているのになぜか買っても儲からない」
という事態が起きがちです。

その原因が
出来高が下落銘柄に偏っていた
というケースは非常に多いです。


📈 指標の見方(ざっくりでOK)

Advance/Decline Volume Ratio の「基準」は以下のとおりです。

比率市場の状態
2.0 以上強い買いエネルギー → 強気鮮明
1.0 以上上昇銘柄の出来高が優勢 → 強気傾向
1.0 未満下落銘柄の出来高が優勢 → 弱気傾向
0.5 以下売りがかなり強い状態

✓ トレンドの判断例

  • NY市場が上昇していて 比率が 2.0
     →「買いの出来高がかなり集まっている → 強気相場の裏付け」
     
  • 市場は上昇しているが 比率が 0.8
     →「上昇はしているが出来高は売りのほうが多い → 上値が重い可能性」
     
  • 市場がやや下落、比率 0.4
     →「出来高の多くが売りに偏っている → 弱気が明確」

📊 実際にどこで見られるの? → NYSE の $AVRN が実用的

出来高ベースの A/D Ratio は、現状 NYSE(ニューヨーク証券取引所)を対象にした $AVRN がもっとも実用的に確認できます。

🔗 $AVRN を見られる場所

Barchart($AVRN)
https://www.barchart.com/stocks/quotes/%24AVRN

ここではニューヨク証券取引所の以下が確認できます:

  • 直近の比率
  • 過去の推移
  • 移動平均やテクニカル分析

比率が上昇 → 買いの出来高が増えている
比率が下降 → 売りの出来高が増えている

という判断が可能です。


⚠️ NASDAQ に関しては「出来高比率サイト」がなさそうでした。


💡 投資初心者にこそ役立つ理由

① 市場の「本当の勢い」がわかる

指数(S&P500、NASDAQ)が上がっていても、
出来高が伴っていなければトレンドは長続きしにくい です。

初心者の多くは「値動き」だけで判断してしまい、

“だまし上げ”に乗って損をする
というパターンがよくあります。

Advance/Decline Volume Ratio を見ることで
その上昇が本物かどうか を判断しやすくなります。


② “買い時・売り時”の判断材料になる

この指標が強気に傾いている(1.5〜2.0以上)場合、
市場には資金が流れ込んでいるため
押し目買いが成功しやすい傾向があります。

逆に弱気に傾いている場合(1.0未満)、
無理に買うと下落に巻き込まれる 可能性が高いです。


③ 個別銘柄の判断にも活用できる

市場全体に資金が入っているか確認することで、

今、自分が買おうとしている銘柄は
市場全体の流れに沿っているのか?

がわかります。

流れに逆らうと初心者ほど損しやすいので、
相場の地合いを把握するための重要なチェックになります。


⚠️ 注意点(この指標だけで判断しない)

Advance/Decline Volume Ratio は優秀ですが、
万能ではありません。

以下の点には注意してください。

  • 1日だけの比率で判断しない(数日〜数週間のトレンドで見る)
  • 個別銘柄の出来高・決算・ニュースも確認する
  • 市場全体のイベント(FOMC、雇用統計)で一時的に乱れる場合がある

特に初心者ほど「たった1日の数字」で判断しがちですが、
継続的なトレンドを見ることが何より大事です。


📝 まとめ

上昇/下落出来高比率(Advance/Decline Volume Ratio) は
市場の“エネルギー”を測る非常に有効な指標です。

  • 市場全体の出来高の流れがわかる
  • 上昇トレンドの“本物感”を判定できる
  • 初心者が損しやすい「だまし上げ」を見抜ける
  • 買い場/売り場の判断材料になる

指数の値動きを見るだけでは見抜けない
市場の本質的な強さを理解できる、心強いツールです。

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