米国株の相場解説を見ていると、
「プロ投資家は強気」「慎重姿勢が広がっている」といった表現をよく目にします。
こうしたプロ投資家の実際のポジション状況を数値で確認できるのが、
NAAIM Exposure Index（NAAIMエクスポージャー指数）です。
この記事では、投資初心者の方にも分かりやすく、
- NAAIMエクスポージャー指数とは何か
- なぜこの指標を気にする必要があるのか
- 投資判断にどう役立てればよいのか
を解説します。
NAAIMエクスポージャー指数とは？
NAAIM Exposure Index（NAAIMエクスポージャー指数）は、
全米アクティブ投資マネージャー協会（NAAIM）が、加盟する投資マネージャーに対して毎週行っているアンケート調査をもとに算出される指標です。
何を示している指標なのか？
この指数は、
アクティブに運用を行う投資マネージャーが、
顧客のポートフォリオのうち、どれくらいの割合を株式に投資しているか
を数値化したものです。
つまり、
- 株式に積極的に資金を投じているのか
- それとも現金比率を高めて慎重に構えているのか
といった、プロ投資家の「行動ベースの心理」を表しています。
数値の見方（初心者向け）
NAAIMエクスポージャー指数は、おおよそ -100〜200 の範囲で推移します。
| 指数水準 | 一般的な解釈 |
|---|---|
| 100前後 | 株式をほぼフルに近い水準で保有（強気） |
| 50前後 | 株式と現金が半々程度 |
| 0付近 | ほぼ現金、様子見姿勢 |
| マイナス | 弱気・ヘッジや空売りを含む |
※ 厳密な数値よりも
「高い＝強気」「低い＝慎重」
というイメージで十分です。
なぜ投資初心者でも気にする必要があるのか？
理由①：プロ投資家の「実際の行動」がわかる
NAAIMエクスポージャー指数は、
単なるアンケートによる感想ではなく、実際のポジション（投資比率）に基づいています。
そのため、
- 強気コメントは多いが、実は株をあまり持っていない
- 不安視されているが、すでに売りは出尽くしている
といった言葉と行動のギャップを読み取る手がかりになります。
理由②：相場の「過熱感」を判断しやすい
指数が極端に高い水準にある場合、
- すでに多くのプロ投資家が株を買っている
- これ以上の新規買い余地が小さい
と考えられます。
これは、
「相場が楽観に傾きすぎていないか？」
を確認するための温度計として役立ちます。
理由③：急落後・不安定な相場の判断材料になる
逆に、指数がかなり低い水準にある場合、
- プロ投資家が強く慎重になっている
- すでに売りが相当進んでいる可能性がある
とも考えられます。
こうした局面では、
「悪材料はある程度、株価に織り込まれているかもしれない」
と冷静に考える視点を与えてくれます。
NAAIMエクスポージャー指数の使い方（初心者向け）
やってはいけない使い方
- 指数の数値だけで売買を決める
- 短期トレードの売買シグナルとして使う
NAAIMエクスポージャー指数は、単独で売買判断に使う指標ではありません。
おすすめの使い方
- 米国株全体の地合いや雰囲気を確認する
- VIX指数、株価指数（S&P500など）と組み合わせる
- 「今は強気が多すぎるか？少なすぎるか？」を考える材料にする
あくまで、
相場環境を俯瞰するための補助指標として活用するのが理想です。
NAAIMエクスポージャー指数が見られる公式サイト
NAAIMエクスポージャー指数は、NAAIMの公式サイトで公開されています。
- NAAIM Exposure Index（公式）
https://naaim.org/programs/naaim-exposure-index/
※ 現在、このリンク先は
NAAIMエクスポージャー指数の概要説明および週次データを掲載しており、
本記事の内容と大きな相違はありません。
内容に変更があった場合は、適宜確認してください。
まとめ｜NAAIMは「相場の空気感」を知るための指標
NAAIMエクスポージャー指数は、
- 将来の株価を正確に予測する指標ではない
- しかし、プロ投資家の本音（実際の投資姿勢）を知る手がかりになる
という特徴を持っています。
特に投資初心者の方にとっては、
- 今の相場は楽観的すぎないか
- 自分が感情的になりすぎていないか
を見直すための、冷静な視点を与えてくれる指標と言えるでしょう。
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