米国株を見ていると、VIX(株式の恐怖指数)はよく話題になりますよね。
しかし実は 債券市場にも「恐怖指数」が存在する のをご存じでしょうか?
それが MOVE指数(MOVE Index) です。
- 米国債(国債)のオプション価格から算出される変動性の指標
- 債券市場の不安や警戒感が数値に表れる
- 株式市場にも大きく影響する「超重要指標」
この記事では、投資初心者の方にもわかりやすいように MOVE指数とは何か?何を見るべきか?株の売買にどう役立つのか? を解説します。

MOVE指数とは?
MOVE指数(Merrill Lynch Option Volatility Estimate)は、
米国債の金利がどれくらい動きそうか(ボラティリティ)を表す指数 です。
ポイントを整理すると…
- 国債のオプション価格 をもとに計算される
- 今後30日間の米国債利回りの“変動予想”を数値化
- 数値が高い → 金利が大きく動く(不安が強い)
- 数値が低い → 金利が安定している(市場が落ち着いている)
ざっくり言うと…
「金利が荒れそうかどうか」を表す警戒指数です。
なぜ株式投資なのに MOVE を気にする必要があるの?
実は、
株=金利の影響を最も大きく受ける市場のひとつ です。
だから MOVE指数は、米国株を見るうえで非常に重要です。
MOVE指数が高いと起こりやすいこと
- 金利が乱高下 → 株価も不安定になりやすい
- 特に ハイテク株(NASDAQ)やグロース株が下落しやすい
- 債券市場のストレスが株にも波及する
株の現在価値は将来の利益を金利で割り引いて計算します。
つまり 金利が不安定=株価評価がブレる という構造があります。

MOVE指数とVIXの違いをシンプルに比較
| 指標 | 対象 | 何の不安? | 株への影響 |
|---|---|---|---|
| VIX | S&P500のオプション | 株式市場の不安 | 株のボラティリティを直接示す |
| MOVE | 米国債のオプション | 金利・債券市場の不安 | 金利変動を通じて株価に影響 |
債券市場は「プロの市場」と呼ばれ、
株より早く未来の不安を織り込む 傾向があります。
そのため、MOVE指数が急上昇してから株価が遅れて下落 するケースも多いです。
MOVE指数が高いときの投資判断ポイント
① MOVEが急騰している → 市場が警戒している
・FRBの金融政策への不安
・景気後退の兆候
・債券市場に資金が出入りしやすい
② 100を超えると“異常モード”のサイン
平均は60〜80ほどですが、100超えは市場ストレスが高い状態 といわれます。
③ ハイテク株を扱う投資家は特に注意
NASDAQ・AI関連・SaaSなどは金利に弱く、
MOVEが荒れている時期は値動きが激しくなりやすいです。
MOVE指数の確認方法
TradingViewで簡単に閲覧できます。
ラインチャートで見ると動きが把握しやすくなります。


まとめ:株の“裏側”を見ることで優位性が上がる
- MOVE指数は米国債市場の「恐怖指数」
- 金利変動の不安を示すため、株にも直接影響
- 特にハイテク株は影響大
- 100を超えたら要警戒
- VIXより先に動くこともある重要指標
初心者の方は株価だけでなく、
株の背景にある金利マーケット をチェックするだけで視野が広がります。
ぜひ日々の相場チェックに MOVE指数を役立ててみてください。

その他
投資、経済の基礎知識
投資や経済関連の基礎知識などの記事はこちらにあります。

投資に関する豆知識

コメント