米国株投資をするうえで、ニュースやSNSでよく見かける指標に 「VIX(恐怖指数)」 があります。
名前だけ聞くと難しそうですが、実は 相場の“空気感”を数字で教えてくれる非常に便利な指標 です。
この記事では、初心者の方でもイメージしやすいように、VIXの意味・読み方・使い方をやさしく解説します。

🔍 VIX(恐怖指数)とは?
VIX(Volatility Index) は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出している、
「今後30日間でS&P500がどれくらい動きそうか」 を表す指数です。
計算には S&P500のオプション価格 が使われており、
投資家が「今後は荒れそう」「いや、当面は落ち着きそうだ」と考えている度合いが数字として表れます。
✔ 別名「恐怖指数」と呼ばれる理由
- 相場が平穏 → 投資家は安心 → オプション価格が下がる → VIXが低い
- 相場が荒れそう → 投資家が不安 → オプション価格が上がる → VIXが高い
つまり VIXは投資家の恐れ=不安の度合いを反映して上昇するため、「恐怖指数」と呼ばれる のです。
📊 VIXはどの数値から“危険”なの?
一般的な目安は以下の通りです。
| VIXの水準 | 市場心理の状態 |
|---|---|
| 10〜15 | 非常に安定、落ち着いている(楽観) |
| 15〜20 | 通常の範囲 |
| 20〜30 | 不安が高まっている(調整相場が起きやすい) |
| 30以上 | 強い恐怖、リスクオフが進む(相場急落局面) |
特に 30以上はリーマンショックやコロナショックなどの急落局面で見られる水準 です。
🤔 投資初心者が「VIX」を気にするべき理由
結論から言うと、
VIXを見ることで、今の市場の“空気”を一瞬で把握でき、ムダな損失を減らせるから です。
① 相場が荒れるタイミングを事前に察知できる
VIXは株価の下落に先行して上がることが多いため、
- 「最近VIXが20→25→28と上がってる…」
- 「ちょっとリスクを落としたほうがいいかも」
といった判断ができるようになります。
② 無理なエントリーを避けられる
デイトレードやスイングでは、
ボラティリティが高すぎると“損切りの連発”になるリスク があります。
VIXが高い日に初心者が苦戦しやすいのはこれが理由です。
③ 安値で買うチャンスをつかめる可能性がある
VIXが急騰する局面は、
市場全体がパニックになって一時的に売られ過ぎている可能性もあります。
- VIXの急上昇 → 株価の過剰下落 → “押し目買い”のチャンス
となるケースもあります。
ただし、慣れないうちは安易に逆張りしないよう注意が必要です。
📉 実際のチャートで見るVIXの動き
TradingView でVIXのリアルタイムチャートが確認できます:
👉 https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-VIX/
S&P500のチャートと並べてみると、
S&P500が急落する局面で、VIXが急上昇していることがよくわかる はずです。


🧭 VIXの使い方:初心者への実践アドバイス
1. 毎朝の市場チェックに取り入れる
VIXの確認は1分で終わります。
株価指数とセットで見ておくクセをつけると、相場感が磨かれます。
2. トレード量を調整する
- VIXが15以下 … 比較的トレード向きの環境
- VIXが20以上 … ポジション小さめ、無理に攻めない
- VIXが30以上 … トレードを控える選択肢も
相場が荒いときほど、初心者は「待つ」ことが大切です。
3. 中長期なら“恐怖で売られたタイミング”を狙う
中長期投資家は、VIX急騰時に少しずつ買う戦略もあります。
ただし、底を当てようとすると危険なので 一括投資より積立的に買う方が安全 です。
⚠ 投資初心者が注意すべきポイント
- VIX=株価の上げ下げそのものではない
→ あくまで“今後の変動幅への期待”を表す指標。 - VIXが低い=市場が安全とは限らない
→ 過度な楽観=暴落前の静けさ、というケースもある。 - VIXの数値だけで売買しない
→ 他の指標(S&P500、出来高、金利動向)と合わせて判断が必要。
まとめ:VIXは「市場心理」を見抜くための最重要指標
- 市場が不安になると急騰する
- 株価急落の“予兆”として役立つ
- トレード量の調整やリスク管理に不可欠
- 中長期ではチャンスのヒントにもなる
VIXは難しい計算を知らなくても、
「市場が今どれだけ怖がっているか」 を数字1つで教えてくれる非常に便利な指標です。
米国株を扱うなら、ぜひ毎日のチェック習慣に取り入れてみてください。

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