市場全体の“トレンドの強さ”を読み解く重要指標を初心者向けに解説【米国株】
米国株式市場では、個別株の値動きだけでなく、市場全体のエネルギー(勢い) を捉えることが非常に重要です。
その中でも
マクレラン・サメーション・インデックス(McClellan Summation Index) は、
「今の相場に本当に力があるのか?」
「上昇相場は続きやすいのか?反転の可能性は?」
といった トレンドの“本質” を見抜くための指標としてよく使われています。

■ マクレラン・サメーション・インデックスとは?
簡単に言うと、
上昇銘柄数 − 下落銘柄数(Advance−Decline)の差を累積して作られる、市場全体のトレンド強弱を示す指標
です。
もともとは “マクレラン・オシレーター” を累積した値で、
市場全体の 中・長期的なトレンド を把握する目的で使われます。
■ なんで「上昇銘柄数と下落銘柄数の差」を累積するとトレンドが分かるの?
理由はシンプルで、
・市場が強いとき
多くの銘柄が上がる → 上昇銘柄数が増える → インデックスは上昇
・市場が弱いとき
多くの銘柄が下がる → 下落銘柄数が増える → インデックスは下降
つまり、
✔ 上昇中 → 市場の買いのエネルギーが増加している
✔ 下降中 → 市場が全体的に弱っている
こうした 市場内部の力(内部エネルギー) を見ることで、
S&P500 の値動きだけでは分からない「トレンドの寿命」まで読みやすくなります。
■ McClellan Summation Index の見方(初心者向け)
① 0ラインより上 → 市場は強気
0より上の期間が続くほど、マーケットには買いが入っていると考えられます。
② 0ラインより下 → 市場は弱気
市場全体が下落圧力を受けており、リスク管理の重要度が上がります。
③ 上昇トレンド → 中長期で相場が強い
特に緩やかに右肩上がりが続くときは、
「広い銘柄が買われている=息の長い相場」になりやすい傾向があります。
④ 下降トレンド → 上昇相場が弱まるサイン
相場が上昇していても、サメーションが下がっている場合は注意です。
➡ 「市場内部が弱っている」=上昇の先行きに陰り を示す場合があります。
■ 投資初心者が知るべき重要ポイント
● なぜ気にする必要があるのか?
初心者ほど、株価指数(S&P500・NASDAQ)だけで相場を判断してしまいがちです。
しかし、指数が上昇していても、
- 実際はごく一部の大型株だけが上がっている
- 大多数の銘柄は下がっている
という状況は少なくありません。
こうしただまし上げを避けるために、
市場全体の呼吸(内部エネルギー)を見る必要があるのです。
McClellan Summation Index はそれを可視化してくれる指標です。
■ 実際のチャートの見方(MarketInOut を例に)
参考:

MarketInOut のチャートでは、
- 上昇・下降のトレンド
- 0ラインとの位置関係
- 過去との比較
が確認できます。
特に、
価格が上がっているのにサメーションが下がっている場合 は要注意。
→ 上昇が「細い銘柄に依存している」可能性が高く、
→ トレンドの反転(下落)リスクが高まります。
■ よくあるパターンと投資判断のヒント
● パターン① 上昇相場+サメーション上昇
→ 最も強い強気相場
→ 短期の押し目はチャンスになりやすい
● パターン② 上昇相場+サメーション下降
→ 相場内部が弱い“天井警戒”パターン
→ 分散投資・リスク管理を強化すべき局面
● パターン③ 下落相場+サメーション上昇
→ 意外と反転の予兆であることも
→ 早めに強い銘柄が買われ始めている可能性
■ まとめ:市場の「質」を見るのが McClellan Summation Index
初心者が見落としがちですが、相場の本当の強さは
「指数」ではなく「何銘柄が上がっているか」 に表れます。
McClellan Summation Index は、
- トレンドの方向
- トレンドの強さ
- 相場の健康状態
- 反転の前兆
を掴むための非常に有効な指標です。
株価指数だけで判断するのではなく、
市場全体の息づかい もあわせて確認することで、
無駄な損失を減らし、トレンドに乗る精度が高まります。
■ 注意事項(投資初心者向け)
- 指標はあくまで「傾向をつかむ」ためのものです。
- これだけで売買判断を行わず、価格チャートや出来高なども併用してください。
- 過去の傾向が未来を保証するものではありません。
- 投資判断はご自身のリスク許容度を踏まえて行ってください。
その他
投資、経済の基礎知識
投資や経済関連の基礎知識などの記事はこちらにあります。

投資に関する豆知識

コメント