米国株オプション市場の投資家心理を読む基本指標
米国株の市況解説やマーケットニュースで
「Put/Call Ratio(プット/コールレシオ)」
という言葉を見かけたことはありませんか?
Put/Call Ratioは、オプション市場に参加している投資家の心理(強気・弱気)を数値で表した指標です。
株価そのものではなく、「投資家がどう考えているか」を知るために使われます。
この記事では、投資初心者の方でも理解できるように、Put/Call Ratioの仕組みや見方、注意点をわかりやすく解説します。
そもそもオプション取引とは?
オプション取引とは、将来のある時点で
「決められた価格で買う権利」
「決められた価格で売る権利」
を売買する取引です。
オプションには大きく分けて2種類あります。
- コールオプション(Call)
将来、株や指数を「買う権利」
→ 株価が上がると考える人が使う
- プットオプション(Put)
将来、株や指数を「売る権利」
→ 株価が下がると考える人が使う
つまり、
コールが多い=上昇を期待する人が多い
プットが多い=下落を警戒する人が多い
ということになります。
Put/Call Ratio(PCR)とは何か?
Put/Call Ratio(PCR)は、
一定期間に取引された
- プットオプションの出来高
- コールオプションの出来高
この2つの比率を表した指標です。
計算式はとてもシンプルです。
Put/Call Ratio = プットの出来高 ÷ コールの出来高
この数値を見ることで、
「市場全体が強気なのか、弱気なのか」
を把握することができます。
Put/Call Ratioの基本的な見方
一般的な目安は次の通りです。
- Put/Call Ratio が高い(1以上)
プットが多い
→ 投資家の間で下落を警戒する弱気心理が強い
- Put/Call Ratio が低い(1未満)
コールが多い
→ 投資家の間で上昇を期待する強気心理が強い
あくまで「心理の傾向」を見る指標であり、
株価の上げ下げを直接予測するものではありません。

なぜPut/Call Ratioを気にする必要があるのか?
市場の「雰囲気」を数値で確認できる
株価チャートだけを見ていても、
投資家が恐れているのか、楽観しているのかは分かりません。
Put/Call Ratioを見ることで、
- 今は警戒ムードなのか
- それとも楽観ムードなのか
といった市場全体の空気感を把握することができます。
逆張りのヒントになることがある
Put/Call Ratioは、時に「逆張り」のヒントとして使われます。
例えば、
- 極端に高い数値(例:1.5以上)
→ 弱気が行き過ぎており、反発が起きる可能性を意識する
- 極端に低い数値(例:0.2〜0.3)
→ 強気が行き過ぎており、調整に注意する
ただし、この考え方は中上級者向けです。
初心者の方は、まず
「今は強気が多いのか、弱気が多いのかを見る指標」
として使うのが無難です。
実際のデータはどこで見られる?
Put/Call Ratioは、以下のようなサイトで確認できます。
S&P500(SPX)の Put/Call Ratio

✅ 見るべきプット/コール比率(Put-Call Ratio)
① Put/Call Volume Ratio(出来高ベースのプット/コールレシオ)
- これは その日のオプション取引で実際に売買されたプットとコールの比率 です。
- 数値が 1.0以上 → プットが多く弱気な傾向
- 数値が 1.0未満 → コールが多く強気な傾向 (日々の市場心理を見るのに最も使われる指標)
② Put/Call Open Interest Ratio(建玉ベースのプット/コールレシオ)
- これは 未決済の建玉(オプションのポジション残高)での比率 です。
- こちらは「市場参加者全体でどちらのポジションが積み上がっているか」を示します。
- 出来高より 「重み付けされた長期的なセンチメント」 をつかみたい時に参考になります。
⚙️ どれを優先して見ればいい?
- 短期〜当日中心の心理を見る → Put/Call Volume Ratio
- 長めのポジション傾向(建玉)を見る → Put/Call Open Interest Ratio
一般的に初心者が最初に注目するのは、日々の売買動向を反映しやすい 出来高ベース(Volume Ratio) の方です。
投資初心者が注意すべきポイント
Put/Call Ratioだけで売買判断をしない
Put/Call Ratioはあくまで「心理指標」です。
これだけを根拠に売買を行うのはおすすめできません。
- 株価トレンド
- 出来高
- 他の指標(VIXなど)
- 経済ニュース
と組み合わせて使うことが重要です。
強気・弱気=そのまま株価が動くとは限らない
- 弱気が多くても株価が上がる
- 強気が多くても株価が下がる
ということは、実際の市場ではよく起こります。
Put/Call Ratioは
「多数派の心理を知るための材料」
として使いましょう。
まとめ
- Put/Call Ratioはオプション市場の投資家心理を示す指標
- 高いほど弱気、低いほど強気の傾向
- 売買サインではなく、市場の雰囲気を把握するための指標
- 他の指標と組み合わせて使うことが大切
Put/Call Ratioを知っておくことで、
米国株市場をより立体的に理解できるようになります。
初心者の方も「心理を見る指標」として、ぜひ活用してみてください。

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